北風と太陽/14  2006/01/26

だが、太陽はますます強く照りつけるばかり。
そのうち頭の中がくらくらと歪みだした。
たまらず、上着の前を全部開け、下に来ていた薄いシャツのボタンも外す。
それでも上着を脱ぐことだけは、まるでそれが罪になるかのようにしなかったが。
「……も…駄目だ……」
少年はとうとう馬を止め、ぐったりとその背によりかかった。
それを見て慌てたのは、太陽の隣で様子を見守っていた風である。
『お、おいっ。これじゃ上着なんか脱ぐ前に倒れて死んじまうじゃねーか、やりすぎだ』
『誰が殺すか、人聞きの悪い』

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