北風と太陽/16  2006/01/27

きょろきょろと周りを確認し、誰もいない事を確認すると、ズボンから足を抜く。
すっかり裸になってしまうと、灼熱の太陽に炙られた肌を冷ますために、青い水の中へするりと入った。
『……っ』
『俺の勝ちだな』
太陽は少し得意げにそう呟いたが、風も、そして当の太陽も既に心はそこになかった。
泉の中で飛沫と戯れる少年の姿、一糸纏わぬ象牙色の肌が想像以上に美しかったからだ。
心地好さそうに微笑みながら水浴びをする少年を、二人は固唾を呑んで暫くの間見つめていた。
(……)
太陽はふと、首を捻った。

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