北風と太陽/17  2006/01/28

先刻まで忘れていた事を思い出したのだ。
あの栗色の髪と深い赤の瞳、前に何処かで―――
だが、その思考はすぐに断ち切られた。
『あ…!?』
突然、風が声を上げた。
『なんだ、あれ…!!』
太陽も下を覗き込む。

風の指差した先で、信じられない事が起こっていた。

何処に隠れていたのか、いつの間にか数人の男達が現れ、あろう事か少年の服を拾い上げたのだ。
「!!」
少年は慌てた様子で岸へ上がろうとしたが、何せ服を着ていない。

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