北風と太陽/27  2006/02/03

「―――……おい、何の話だかさっぱり解んねーぞ」
ふんと鼻を鳴らしたのは風だった。
泉の精とのやりとりは、彼には意味の解らないことばかりで、まるで仲間外れにされたような気がしたのだ。
太陽は黙ってきびすを返すと、風に指で着いて来い、と示した。
「行きながら説明してやる。もう一箇所行く所があるからな」
二人は暗い森の中へ走り出した。

***

「……何だって!?」
鬱蒼と茂る枝を掻き分けながら、風は思わず叫んだ。
太陽が思わず顔をしかめる。
「いちいち五月蝿いな。二度は言わん。そういう事だ」

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