@animalcube/No180  2007/01/28

王はふっと微かな笑いを唇に浮かべた。
「珍しいことを言うものだ。……それだけか?」
「はい。私には、充分すぎるほどの褒美ゆえ」
「それなら、どうという事はない」
王は一度だけゆっくりとうなずくと、玉座から立ち上がった。
この王宮に数え切れぬほどある部屋のひとつを明け渡す事など、何の造作もないことだ。
「望み通り、貸してやろう。今夜一晩、好きに過ごすがいい」
「ありがとうございます」
「だがひとつ、条件がある」

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