臆病な俺  2007/02/04

錆びついた教会のマリアに祈りを捧げ

光も奪われて震えることも許されないまま


瞳を閉じることさえ忘れてしまった少年は






手首の罪の痕を隠し続けている 






朽ちてゆく母親の亡骸に呟き続け 







手にした花束も過去の姿を失くしてしまって 








優しいその眼差しは汚れのない少女のまま 








変わらない時間だけを見つめている







「痛みなどないから・・・もう泣かないで・・・」 







「安らぎが欲しいなら・・・望み通りに叶えてあげるから・・・」 









「怖くはないから・・・側においで・・・」 








「汚れなどないまま・・・キミの全てを奪ってあげるから・・・」 






今は誰にもキミだけは救えないから 







さあ目を閉じて 





「痛みなどないから・・・もう泣かないで・・・」 







「安らぎが欲しいなら・・・望み通りに叶えてあげるから・・・」 





「怖くはないから・・・側においで・・・」 






「汚れなどないまま・・・優しく眠りにつけばいい・・・」 






「苦しくはないから・・・もう泣かないで・・・」 






「逃げられはしないから・・・キミの全てを許してあげるから・・・」 






「終わりはないから・・・側においで・・・」 






「汚れなどないまま・・・キミの全てを奪ってあげるから・・・」 






僕がいつまでもキミのこと忘れないから 








さあ目を閉じて


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