うえにし太郎  2016/09/28

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●神武天皇は『神武東征』と呼ばれる戦いをしていきます。
それは、天皇目線で言えば、不埒な地方豪族を滅ぼして統一国家を建立させる戦争でした。
高千穂を発して、九州各地、中国地方、大阪、紀伊、奈良と転戦、西日本を平定して畝傍(うねび)の橿原(かしはら)で天下を治めていきます。
滅ぼされた側から見てどうなんでしょうね?

●景行天皇は、たいへん美しい姉妹がいると聞き、子の大碓命に召し連れてくるように命じました。
ところが、大碓命は、彼女たちを横取りして、姉妹それぞれと子までつくってしまい、天皇には別の娘たちを差し出します。

大碓命の非行を察した天皇は、その弟、小碓命(おうすのみこと)に連れてくるように命じましたが、命令を拡大解釈した小碓命は兄の大碓命を問答無用で斬殺、恐れを感じた天皇は小碓命に過酷な戦いを命令していきます。

その小碓命こそが後の倭健命(ヤマトタケルノミコト)、彼は日本統一に向けて東海から関東にかけて転戦していきます。

ヤマトタケルは父に忌み嫌われながらも戦いには勝ちまくる、そうするとまた強敵に向かわされる、最後は戦(いくさ)の途上で力尽きるのでした。
この時詠まれた歌は、その後も天皇が薨去したときの儀式で使われているそうです。

ヤマトタケルは、間違いなく古事記の物語のなかの白眉(はくび)だと思います。

●ヤマトタケルは結果、天皇にはなれませんでしたが、彼の子孫の系譜が今の天皇家です。
ヤマトタケルの伝説は日本各地に残っています。
どこか、源義経に通じる悲劇のヒーロー感があるのです。

●古事記で語られる歴代の天皇は単なる英雄とはかけ離れているようです。
むしろ、無茶な戦争も、女性関係も問題だらけ。

古事記編纂は、元明天皇(天智天皇の皇女)の時代。
男系に繋ぐための女性天皇の正統性を演出したかったのか、ちょっとそんな気もします。
私見です。

●天智天皇は元・中大兄皇子。
元明天皇時代は、鎌足の子、藤原不比等が全般を取り仕切っていた、当然、政治色濃厚なのは間違いありません。
天孫降臨の如く、祖母の推古天皇から孫の舒明天皇へ、祖母の持統天皇から孫の文武天皇へ、祖母の元明天皇から娘の元正天皇を経て孫の聖武天皇へと受け継がれていきます。

次回で終わります。
現在の女性天皇論争についても少し。
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